4月22日の「進水式」から約半年が経った1989年(平成元年)10月21日、「きたかみ」は太平洋フェリーの第2船「あるびれお」に代わりデビューを果たしました。
現在の太平洋フェリーの象徴でもある、白い船体に2本のブルーラインが映えるデザインは、「きたかみ」の2年前に就航した「きそ(初代)」で取り入れられ、今日まで受け継がれてきました。
それまでの6船は白い船体に赤いラインが入り「スカーレットライン」と呼ばれていたことをご存知でしょうか?
実は「きたかみ」の就航時、船底だけは青ではなくスカーレット色だったことが建造時や進水式の写真からもお分かりいただけます。
姉妹船「きそ」に続き、当時フェリーのイメージを変える華やかな存在として誕生した「きたかみ」は、太平洋フェリーが現在の体制となる分岐点に生まれ、「洋上のホテル」と称されるまでになった太平洋フェリーの礎を築いた船であるとも言えるのです。
進水式に披露されたの船底の様子(左)と就航当時の様子(右)